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税理士の休日

『観光』の雪と『生活』の雪

2013.10.06

 

 

千葉 洋

 四国生まれの私にとって、雪の厳しさなど思いもみなかったことであり、むしろ雪と言えば、ふわふわとした美しい優しいもの、という印象であった。



  特急「あいづ」に乗って、雪国会津へ行ったときのことである。会津盆地に入った途端、そこは文字どおり銀一色の雪国であった。「なんてすばらしい! 真っ白だ! もっと降れ! もっと降れ!」と思わず感激したことを覚えている。 

  その後縁あって会津若松で『生活』する機会を得た。 雪真っ盛りのとき、近くの街までローカル線の各駅停車で出かけたときのことである。 スキー用具をもった東京からの大勢の学生たちが、「なんてすばらしい!もっと降れ!もっと降れ!」と大はしゃぎしている。 それも朝晩雪かきで苦労している私たち地元民のまさに目の前で、である。
  “不愉快なことこの上ない!” となんと腹立たしく思ったことか。 これは実際に雪国で『生活』をして、初めて身をもってわかったことであり、嘗ては自分も彼らと同じだった・・・。



  

 
その後ことあるごとに「『観光』の雪と『生活』の雪はまるで違いますよ。ローカル線に乗ったときは、とりわけその土地の方々が同乗していることを慮って ― 雪との戦いに毎日苦労している方々のことを気遣い ― 思いやりの気持ちをくれぐれも忘れないように・・・」と物知り顔で申し上げることにしている。