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税理士の休日

『ロスジェネの逆襲』池井戸潤を読んで

2013.09.13

望月 洋知

TBSドラマ「半沢直樹」で高視聴率を記録している池井戸潤さんの「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」に続く第3弾です。図書館で予約していたのですが、まだまだなので買ってしまいました。
第4弾「銀翼のイカロス」も週刊ダイヤモンドで連載中とオビに書いてあったので、まだまだ半沢直樹シリーズ続くのなら楽しみです。

 今回は出向先の「セントラル証券の半沢直樹」という立場で、「買収」というフィールドで親会社の東京中央銀行証券営業部に立ち向かう、こう書くとどうやったらそうなるのという関係ですが、スジは通るように書かれていますし、そこに関わる人たちも、それぞれの立場でおもしろくキャラがたってます。
 題名にもなっている、「ロスジェネ」とはバブル崩壊後の不景気、1994~2004年に亘る就職氷河期に世の中に出た若者たちを指しているそうです。

就職が厳しいのは分かっていたので、資格も取り「優」も取り自己啓発に努めてきたのに、数十社の面接を受け落とされ、プライドも自信もずたずたに引き裂かれながら、打たれても這い上がるだけのつらい日々を耐え、身を削るような就職活動をくぐり抜けて会社に入ってみると、そこには、大した能力もないくせに、売り手市場で大量採用された危機感なき社員たちが中間管理職として幅をきかせる、バブル入社組がいた・・

そんな不満を抱えたロスジェネの代表「森山」とバブル世代上司「半沢」。森山の、仕事に対するあきらめ・失望が、半沢の仕事ぶりや言葉を聞くうちに変化していく。尊敬できなかったバブル世代、いつも不満の中で働いてきた森山。しかし、尊敬できる上司「半沢直樹」と一緒に苦難に立ち向かっていくたびに、仕事のおもしろさを知り、戦う気力を持ち直していく・・・そして親会社に立ち向かって大活躍?の半沢直樹の人事の行方は・・といった内容でした。

企業小説は牛島信さんしか多分読んだことなかったのですが、池井戸潤さんのを読みまくろうかなと思っています。脚色はもちろんいっぱいあるんだと思いますが、自分の仕事の上でも関係してくる、あるいは知っておきたい「銀行」「融資」「証券」などの裏を覗く感じで勉強になりましたし、なにより痛快でした。