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税理士の休日

昭和の時間が流れる駅前食堂

2012.09.18

籏野 洋

 8月下旬三陸方面に2泊3日で行ってきました。レンタカーで回りましたが1年半経つというのに津波被害の凄まじさを目の当たりにし、またそれから懸命に復興しようとしている地元の人たちのお話も聞くことが出来ました。

3日目に旅もそろそろ終わりになり南三陸地方の玄関口である岩手県の一ノ関駅でレンタカーを返しました。新幹線の時間までまだ2時間くらい時間があったので遅めの昼食をしようということになりました。しかしガイド誌に載っている有名なレストランはいっぱいで入ることができません。仕方なく駅前に戻り「うなぎ」ののぼりが掲げてあるちょっと古びた駅前食堂「和風レストラン:松竹」というところにしかたなく入りました。
 店内はいつかどこかの映画で見たようなデジャビュ(既視感)を感じさせる懐かしい「昭和の食堂」空間がありました。昔ながらのちょっとチープなテーブルと椅子。古―い扇風機。白い前掛けのお姉さん(というかオバさん)がニヤッと笑顔で迎えてくれました。けっして汚くはないけどきれいでもないという感じです。客はバックパックのムスッとした若者が一人。そしていたずらっ子に手を焼くをお母さんの親子連れ一組。とにかくのんびりした感じです。
となるとまずはゆっくりとビールを。それも生でもなく缶でもなく瓶ビール。ありました私の好みのサッポロ黒ラベルです。よく冷えた瓶ビールをビール会社のロゴが入ったこれもチープなコップで頂きます。「うまいなー」まるで「健さん」か「寅さん」になったつもりでつき合わせの枝豆を頂きながらぐびぐび頂きます。運転も終わり後は新幹線で帰るだけという気楽な気持ちもありビールとお店の心地よいひなびたな雰囲気に気持ちよく酔っていけます。

  

そろそろご飯をというときになって壁にぺたぺたと貼ってあるメニューを見ると「かつ丼」が強調されています。なんでうなぎ屋なのにかつ丼と思ってさらによく見るとかつ丼と言っても「名物ソースかつ丼」ということでした。私は迷うことなくその「ソースかつ丼」を妻は当初の予定通り「うな重」を頼みました。さて暫くして運ばれてきた「ソースかつ丼」はこんがりと揚げられたカツ(卵とじではない)が3枚ドンブリの最上部に、そのカツとご飯との間には千切りのキャベツが敷き詰められていました。熱々のカツとシャキシャキのキャベツとご飯を食し、それをまたビール飲んでながす。何とも心地よいもんです。「うな重」もかなり良かったということでした。
 いつも旅行ではガイドブックを見て食べに行くことが多いのですが、ここはガイドブックもノーマークで全く予定していなかったところでしたのでなおさら大当たりという感じでした。帰りの新幹線でもしやと思いネットで検索してみると実はB級グルメのソースかつ丼でかなり有名なお店だったようです。そういえばよく見ると有名人の色紙がたくさん飾ってあり、その中でもジャズサックス奏者の坂田明の「老婆は一日にして成らず」とあったのには笑ってしまいました。
東北旅行の最後にゆっくりと時間が流れる至福のときをご褒美にいただきました。