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税理士の休日
『マスカレード・ホテル』 東野圭吾
2012.06.11
望月洋知
日野の図書館に予約して、100人以上あとの予約番号を経てようやく最近読めた本です。
ただ思ったより早く手にできました。おそらくサクサク読めてどんどん順番が進んだんだと想像がつきます。
超一流ホテルを舞台に、事件の謎解きという面白さに加えて、仕事小説としても読みごたえがあり惹き込まれました。犯人検挙のため見る者すべてを疑いの目でみる刑事(新田)は、宿泊客に気持ちよく快適に過ごしてもらうことを第一の目的とするホテルマン(尚美)にとって絶望的に相容れない立場にあります。お互いの職分を守ろうとして火花を散らすような対立関係にある二人の主人公が、事件を未然に防ぎ宿泊客に危害が及ばないようにさせるという共通の目的のために妥協点を見つけようと奮闘する姿に感動しました。プロとしてプライドをもって仕事に当たるもの同志だからこそお互いの仕事も尊重し理解できる、だんだんと変化していく様子がとてもうまく書かれていて、後味の良い作品だと思いました。